高校野球と木製バット

2019-08-19

夏の甲子園も準決勝と決勝を残すのみとなったが、101回目の今大会もホームランが乱れ飛んだ。「キーン」という甲高い金属音が連日コダマした。

履正社高校の1試合5本塁打の大会タイ記録をはじめ、今大会すでに40本塁打を超えている。

ところで、単純な疑問があります。なぜ高校野球は木のバットでなく金属バットなのだろうか? 高校野球だけでなく、リトルリーグも少年野球も皆、金属バットを使用している。

プロ野球をはじめ大学野球や社会人野球は木のバットだというのに・・・・

「金属バットは折れないので木製バットより経済的だから」、という理由が真っ先に思いつく。他にも原材料の木が不足しているとか、森林伐採など環境問題に配慮しているとか、様々な観点があると思いますが実際のところどうなのでしょうか。もし明確な理由もなく金属バットを使用しているとしたら、子供たちから、バッティングの本質を経験する機会とか、バッティング技術を磨く機会などを奪っているのではないかと思われるのです。

私は以前よくゴルフをしていましたが、本間製のパーシモン(木製ヘッドのドライバー)を使用していました。プロアマ問わず今やほとんどのゴルファーは金属製ヘッドのドライバーを使いますが、私はパーシモンの独特の打感が好きで木製ヘッドを使っていました。パーシモンは金属ヘッドに比べスイートスポットが狭く、少し打ち損じると飛距離が落ちたり、曲がったりします。アマチュアにはとても難しいクラブですが、スイートスポットでボールをとらえたときは、素晴らしい打感、快感を得られるのです。その打感を感じるためにゴルフをやっているようなものです。

木のバットもパーシモンのクラブと同じく、金属バットよりスイートスポットが狭く、芯でとらえるのが難しいといえます。芯を外すとボールはあまり飛ばないし、とにかく手が痛いです。でも、真芯でとらえるとほとんど抵抗感なく心地良く振り抜けます。

要するに木のバットの方が金属バットより球をとらえる技術が必要で、うまく打てたかどうかの結果が明確に出るのです。金属バットは多少打ち損じてもそれなりに飛距離が出るので、本当に正しいスイングができていたのかわかりにくいのです。子供たちのバッティング技術向上のためにも、木のバットの方が道具として適していると考えるのは私だけでしょうか。

なかんずく、プロを目指そうとする高校球児に、なぜ木製バットで技術を磨かせてやらないのか。少なくともその選択肢を与えてやらないのか。だって、高校生の国際試合であるU18では金属バットは禁止されているのです。

例えば、イチローは小学生のころ、毎日のようにバッティングセンターで練習していたそうですが、木のバットを使っていたらしいです。バッティング技術を究めようとするならばやはり木のバットを使うべきなのでしょう。

野球少年のすべてがプロを目指しているわけではないですが、木のバットの方がバッティング技術が向上し、かつプロ野球とのギャップもないとすれば、木製バットに切り替えることを真剣に考えてもいいのではないでしょうか。高校時代はスラッガーとして名を馳せた選手も、プロになって木製バットになじめず、成績不振でプロを辞めざるを得なかったという話も聞きます。

最近は、金属バットでも木製バットに性質の似た芯の狭い飛びにくいものが出てきているらしいので、木製バットへの変更が経済的にどしても難しければ、そういうものも視野に入れて飛びすぎる金属バットから卒業することを検討してみてはどうでしょうか。

木製バットの真芯でボールを打ち抜く技術を持った真のスラッガーを育てるためにも野球関係者には英断を期待します。

甲子園の金属バットの快音を聞きながら、ふとそんなことを思いました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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