「大阪モデル」の評価

2020-05-06

5月5日、大阪府は緊急事態宣言の制限解除について、以下のような「大阪モデル」と称する独自基準を発表しました。そのうち出口戦略は以下の基準を7日間連続で達成すれば制限を段階的に解除していくということです。(病床使用率以外の指標は7日間移動平均)

① 新規陽性者における感染経路不明者数が10人未満

② 確定診断検査における陽性率が7%未満

③ 患者受入重症病床使用率が60%未満

そして、上記条件を満たして制限が解除されたとしても、入口戦略として以下の3要件を満たした場合は再度制限を復活させるということです。

① 新規陽性者における感染経路不明者の前週増加比率が1以上(いわゆる前週より増加)

② 新規陽性者における感染経路不明者数が5人以上

③ 確定診断検査における陽性率が7%以上

以上のような基準ですが、意外と厳しい基準です。何が厳しいかというと、一旦制限解除された後も上記入口基準を1日でも上回れば再度制限を掛けるという点です。7日間連続ではなく1日だけでもです。しかも、その基準が制限を解除するときよりも厳しくなっている点です。

例えば入口戦略①の感染経路不明陽性者が前週より増加すればという条件ですが、数値が一旦下がった後は、意外と少ない人数で増加してしまいます。また、入口戦略②の感染経路不明陽性者数が5人以上になったらということですが、これは制限解除条件が10人未満ということですので、それよりも厳しい数値になっている点です。10人で制限が解除されるのになぜ5人で再度制限されるのか、ちょっと理解に苦しみますが。

政府が明確な基準を発表していないことに比べれば、大阪府が独自の基準を発表したこと自体は評価できますが、この基準が果たして経済を元に戻すことに寄与するかどうかは疑問です。

手心を加えずにこの基準を適用すれば、制限が解除されたりまたすぐ制限が復活したりを繰り返すのではないかという懸念があります。事業者としては制限と解除を繰り返される方がよっぽど困るというところが多いと思います。

その時には知事の政治的判断が重要となります。吉村知事も「対策の目的は医療崩壊を防ぎ死亡者数を増やさない」ということなので、そこに力点を置いた政治的判断をしていくべきかと思います。医療体制が十分整っているのであれば、感染者数や陽性率が多少増えても問題ないのではないでしょうか。今後も医療体制の充実については予算をつけて対応を進めていって欲しいと思いますが、くれぐれも手段と目的を取り違えないようにしてください。

いずれにしても、日本は欧米諸国と比べ死亡率は圧倒的に低いわけですから、感染症対策に偏りすぎず、経済にも十分配慮した対策をしていってもらいたいです。

「大阪モデル」に対する評価は今後の大阪府の政治的対応を含めて評価していくべきでしょう。

 

 

 

 

 

 

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