Archive for the ‘お知らせ’ Category

人工知能は天使か悪魔か AIの凄まじい進化に驚愕!

2017-06-28

先日、NHKで「人工知能 天使か悪魔か 2017」を放送していましたが、AI(人工知能)の進化のスピードに驚愕しました。

将棋三冠王の羽生善治がプレゼンターとして、今年4月と5月に行われた将棋電王戦をベースに、様々な分野におけるAIの利用のされ方を紹介し、今後AIがどのように進化し、その進化が人類にとって有益なものなのかそれとも進化の果てに人類の敵となるのかという問題を提起する番組でした。

この番組の中で羽生善治が言った「AIはブラックボックスです」という言葉が印象的でした。

例えば、さきの将棋電王戦で佐藤名人に圧勝した将棋ソフトPONANZAを例にとると、PONANZAが差す手は名人の読みを上回り、終局まで名人にほとんどリードを許さず勝ちきるような鋭い指し手が多いのですが、その指し手に至る読みの根拠がブラックボックスの中にあり、人間には見て取ることができないということです。佐藤名人はPONANZAを評して、「人間より将棋の神様に近い存在」と言いましたが、まさにそのブラックボックスで行われていることは神の領域の仕業だということなのかもしれません。

将棋のみならず、AIはあらゆる分野で既に活用されています。

たとえば、あるタクシー会社は流しでお客を拾うツールとしてAIを利用しています。位置情報とそれまでのデータを組み合わたAIナビは、どこを走ればお客をより多く、無駄な走りをせずに拾えるかということをベテランの運転手よりも正確にはじき出すのです。でもこれは両刃の剣で、そのベテラン運転手はAIナビのおかげで売上げが上がりそうですと期待していましたが、AI技術がさらに進むとタクシーが自動運転化され、その運転手の職自体が奪われかねないという皮肉な結末が待っているのですが。

アメリカでは裁判所が受刑者の量刑をAIを参考に決めています。AIに入れたビッグデータとその受刑者の犯罪歴や様々な個人情報を組み合わせることで、再犯率などが数値化され、収監期間や仮釈放のタイミングを判断しているのです。

シンガポールのバス会社では事故を起こしやすい運転手をAIで割り出したり、日本の医療事務の会社は職場になじめず退職を考えているスタッフをAIで事前に把握し、退職を留まらせるようフォローしています。

株式市場ではほとんどの売買を各証券会社のAIが自動的に行っています。一昔前までは人の手振りでやっていたことが懐かしく感じます。なんとAIの売買は1000分の1秒単位で行われているそうで、もはや人間の手振りでは全くおっつかなくなっているんです。

ある国ではAI政治家の開発を、有名なコンピュータプログラマーに依頼し、5年以内に実現化しようとしています。どの国の政治家にも言えることですが、政治家が常に国にとって最善な判断をするとは限らず、地元の利益を優先したり、自分に近い人たちを優遇したりする政治家は後を断ちません。AI政治家はそういった恣意性に影響を受けることなく、ビッグデータをベースにその国にとって最も有益な判断ができるものとして期待されているのです。では、人間政治家とAI政治家はどのように協力していくのでしょうか。逆に人間政治家はこれだけの人数が必要なのでしょうか。AI技術が進んだ世界で民主主義を実現していくということはどういうことなのかを考えさせられます。

これら各分野で活躍するAIに共通していることは、AIは正しい判断をしているようだが、その判断は何を根拠にしているかわからないということなのです。ビッグデータと個人データをAIというブラックボックスに放り込むことで一定の正解は得られるが、そのデータがどう計算されどのような判断基準で答えが導かれているのかが人間にはもはやわからないレベルにあるということです。

「答えは正しいが根拠がわからない」。これってなんとなく気持ち悪いですよね。答えと根拠が一致して初めて人間は納得して行動に移せると思うのです。

AIと付き合おうとすれば常にこの気持ち悪さと付き合わなければならない。

「AIは天使か悪魔か」。AIを盲目的に信じてしまうのはやはり危険だと思います。人間はAIをどこまで受け入れどの部分を拒否するのか。それが今後の課題ではないでしょうか。

 

 

 

藤井聡太29連勝新記録達成!!

2017-06-26

とうとう藤井聡太が29連勝の新記録を達成しました!

デビュー戦から負けなしの連勝記録はまさに偉業!

15歳で竜王位のタイトルを取れるか。

あと、棋王、王将、叡王の可能性もあり。

本当に楽しみです。まずはおめでとう!

確定申告のご準備をお願いします

2017-02-19

今年も確定申告の時期が到来しました。

マイナンバーの記載欄もでき、本格的にマイナンバーを申告書に記載する必要が出てきましたので納税者の皆さんはご協力ください。

最近はふるさと納税の申告をされる方も増えてきました。ふるさと納税をされた方はお申し出ください。

3月15日までは弊所もごった返していますが、所員一同頑張ってやっていますので、ご協力のほどなにとぞよろしくお願い申し上げます。

 

 

 

いよいよ社会保険の適用拡大!!

2016-09-20

いよいよこの10月より、社会保険制度の大改革が始まります。社会保険の加入対象者の大幅拡大です。

今までは、1週間の所定労働時間が30時間以上の従業員が加入対象でしたが、10月からは1週間の所定労働時間が20時間以上でかつ1か月の所定内賃金が88,000円以上の従業員が加入対象となります。ただし、被保険者数が500人以下の事業所は対象外となりますが、平成31年9月までに対象事業所の範囲が検討され、500人以下の事業所についても対象となる可能性があります。

現在の社会保険料率は、厚生年金と健康保険を合わせて、約30%となっています。労使折半ですので、従業員からは15%を天引きし、事業主も15%を負担するということになっています。

保険料率30%とはかなりの負担であり、例えば年収120万円のパートの場合、パート本人の社会保険料の負担額が年間18万円、事業主の負担も18万円となります。通勤手当なども対象ですのでさらに金額は多くなります。

年収120万円のパートの場合、改正前であれば勤め先で社会保険に加入する必要がなく、かつ夫の扶養に入ることができ、さらに第3号被保険者として国民年金保険料も国が負担してくれるというメリットがあったわけです。ところが改正後は、勤め先で社会保険料を年間18万円以上負担させられ、夫の扶養に入れず、第3号被保険者としてのメリットもなくなるのです。

労働者の負担も増えますが、事業主の負担も相当なものです。年収120万円のパートを100人雇っている事業所を例に挙げると、年間給与額が1億2000万円に対して、改正前は社会保険料を全く負担する必要がなかったのに、改正後はなんと年間の社会保険料の負担額が1,800万円になるのです。特に人件費率の高い業種ではこの負担は経営に大きく影響します。

今少子高齢化で労働人口が減少している中、政府は主婦の労働力を活用しようということで、いわゆる103万円の壁である、配偶者控除の廃止に動き始めています。配偶者控除を廃止するとなぜ主婦の労働力が活用できるかというと、現状主婦パートの人は、年収が103万円を超えると、夫の扶養家族から外れるので年収を103万円までに抑えようとし、結果として労働時間をセーブしている人が多いのです。配偶者控除を廃止すれば、103万円の壁など気にせず、主婦が目いっぱい働いてくれるだろうというのが政府の考え方です。(なお、現在は配偶者特別控除がありますので、年収が103万円から141万円までは、段階的に控除額が減少しますので、103万円の壁という考え方自体どうかと思います)

では、実際、現在パートとして働いている主婦は、社会保険の改正と配偶者控除の廃止のどちらに影響を受けるでしょうか。夫の年収にもよりますが、例えば夫の年収が600万円の場合、配偶者控除廃止による夫の税負担の増加額は約11万円です。

一方、パートとして働く主婦の社会保険料の負担額は年収が106万円の人で約16万円です。年収を106万円以下に抑えればその負担額は0円となります。

年収が120万円前後の人であれば、おそらく社会保険の加入対象者になることを避けるために、年収を106万円以下に抑えようとするのではないでしょうか。

今回の社会保険の改正と、配偶者控除の廃止はまるで、ブレーキを掛けておいてアクセルを踏み込もうとするようなものではないでしょうか。つまり、社会保険の106万円の壁がある限り、配偶者控除を廃止したとしても、主婦のパート労働に対する行動はほとんど変わらないと思われます。

さらに、事業主側も社会保険料の負担を軽減するために、より短時間で働いてくれる労働者を求めていくでしょう。

つまり、配偶者控除の廃止は、主婦の労働力を活用するどころか、社会保険の改正により急激なブレーキを掛けられたまま、単なる増税に終わってしまうのではないかということです。

主婦の労働力を活用したいのであれば、待機児童の問題など、改善すべき問題は他にもっとあるのではないでしょうか。

 

 

史上最年少プロ棋士誕生!! 藤井聡太とは

2016-09-05

以前から将棋界では若き逸材が注目されていました。2年連続詰将棋日本一になるなど、その終盤力の強さ、読みの速さと深さで早くもその名を轟かせていた中学2年生。その彼がこのたび、若干14歳2か月で四段昇段を決めたのです。

その名は藤井聡太奨励会三段。

14歳2か月での四段昇段はあの神武以来の天才と謳われた加藤一二三九段の14歳7か月の記録を62年ぶりに抜く史上最年少記録となります。また、中学生棋士は今まで、加藤一二三九段をはじめ谷川浩司九段、羽生善治三冠、渡辺明竜王のたった4人しかいません。このそうそうたるビッグネームに名を連ねることとなったのです。

羽生三冠は今回の昇段に際して、「三段リーグからの四段昇段は、史上最年少記録の価値をより高める快挙だと思います。これ から棋士として注目を集めることになると思いますが、それを乗り越えて歴史に名を残すような棋士になることを期待しています。」というコメントを寄せています(将棋連盟ホームページより)。

これから、羽生や渡辺、佐藤天彦名人などとの対戦が見られると思うと、本当にわくわくしますね。

彼が尊敬する棋士は谷川浩司とのこと。光速の寄せで一時代を築いた谷川浩司に勝るとも劣らぬ終盤力を発揮して、名人や竜王をバッタバッタとなぎ倒して欲しいですね。

そして、PONANZAをはじめとするコンピュータソフトともできれば10代のうちに対戦して欲しいです。

これからの将棋界をいい意味で掻き回して行ってください。

 

ロックレスパーキングを利用しました

2016-04-27

最近ある種のカルチャーショックを受けた出来事がありました。

何気なくいつものコインパーキングに車を停めようとしたときにロック板を超える感触がなかったので、車を降りて車の下を見たところ、ロック板などの装置が全くなかったのです。あれ、ここの駐車場、月極めにでも変わったのかなと思い周りを見渡したところ、精算機も駐車料金の看板もありました。工事の途中なのかな、であれば今日はただで停められてラッキーやんと思いながら、看板をよく見るとフラットパーキングと書かれていました。初めて見る言葉だったのですが、早速ネットで調べてみると、なんとロック板が無く、監視カメラだけで不正を防止するタイプのコインパーキングが最近普及し始めているそうなのです。

こんな性善説に立ったビジネスモデルがあるのか!と軽いショックを受けました。

しかしこのシステムが普及し始めているということは意外と不正をする人が少ないということなのです。

逆に、ロック板タイプの方がメンテナンスやトラブル処理に経費が掛かるので、多少の不正があったとしても、フラットパーキング(一般にはロックレスパーキングというらしいです)の方が効率がいいのかもしれません。

で、このフラットパーキングを初めて出庫するときの感覚ですが、このまま精算せず出庫しても意外と大丈夫かなという感覚と、不正者として特定され後で料金を請求されるのはかっこ悪いなという感覚の板挟みです。結局わたしはちゃんと精算して出庫しました。やはり、精算せずに出庫するというのは、かなり心理的ハードルが高いなと感じました。

よく田舎に行くと無人野菜販売所を見かけますが、そのような類でしょうか。それにしても、日本人の不正に対する感性をうまく見極めた、よく考えられたシステムだなあと感心した次第です。

 

 

マイナス金利政策の効果は?

2016-01-30

昨日、日銀がマイナス金利政策の導入に踏み切りました。

昨年からの原油価格の暴落、年初来の株の急落や円高など、アベノミクスが掲げるデフレの脱却とは真逆の経済状況が続いており、その状況を少しでも改善しようとする秘策です。

マイナス金利政策とは簡単に言うと、民間銀行が日銀に預けている法定準備預金の金利をマイナスにすることです。いわゆる、今までは民間銀行は日銀に預金することで0.1%の利息をもらっていたけれど、これからは逆に金利を支払わないといけなくなるというものです。お金を預ければ預けるほど金利を取られるのでどの銀行も日銀に預金を預けなくなるわけです。するとその資金が民間に回り、投資が進み、景気がよくなり、インフレ目標が達成されるというものです。

しかし、そもそも民間銀行が日銀から0.1%も利息をもらっていること自体おかしな話ですよね。われわれが銀行に普通預金をしても金利は0.02%ですよ。日銀金利の5分の1です。ということは、民間銀行は何の努力もせずに国民から預金を集め日銀にただ預ければ0.08%ものさやが稼げるということです。

そりゃぁ、日銀がいくら買いオペをしても資金が市中に回らないはずですよね。

大企業はともかく、中小零細企業になかなかお金が廻ってこないのが現状です。金融政策でだぶついている資金をいかに中小企業にまで行き渡らせるかの具体策が必要です。

今回のマイナス金利政策はある意味小手先のスパイス的な対策であり、これを何年も続けていくわけにはいきません。

やはり、将来を見据えたもっと長期的な政策を打ち出していくことが重要です。特に、以前から常に言われてきている少子高齢化問題と教育にいかにお金をかけアイデアを出していくか、政府は一日も早くそこに本気で取り組むべきであり、教育、子育て、介護などの業界で働く人や企業を支援していくことが必要ではないでしょうか。

 

 

 

相続税申告の落とし穴

2015-11-17

相続税法の改正により平成27年1月より基礎控除額が今までの6割に減額されました。この改正で、相続税を申告しなければならない納税者の対象が拡がりましたので、今まで相続税の申告は関係ないと思っていた方も他人事ではなくなりました。

例えば相続人が妻、長男、次男の3人ですと、今までの基礎控除額は8,000万円(5,000万円+1,000万円×3人)でしたが、改正後の基礎控除額は4,800万円(3,000万円+600万円×3人)です。

4,800万円ですと、自宅不動産、預貯金、生命保険などを足すと、軽く超えてしまう方が多いのではないでしょうか。

自宅の土地が2,500万円、建物が1,500万円、預貯金が1,000万円、生命保険が3,000万円とすれば合計8,000万円ですので、基礎控除額4,800万円を3,200万円も上回ります。これだと相続税が4~500万円ぐらいかかってくるのではと懸念される方がおられるかもしれません。

ところが実際は、生命保険金の非課税額が1,500万円(500万円×相続人3人)、自宅の評価減が2,000万円(小規模宅地の評価減がまるまるできるとして)できますので、相続財産額は4,500万円(8,000万円-1,500万円-2,000万円)となり、基礎控除額4,800万円の範囲内ですので、相続税額は0円となります。

また、相続財産額が基礎控除額を上回っていたとしても、妻がすべて相続すれば、配偶者の税額軽減の規定(1億6千万円迄)がありますので、この場合も相続税額は0円となります。

では、この様に事前に計算して、基礎控除の範囲内だから相続税は関係ないと、そのままほったらかしにしておいてもよいでしょうか?

実は、自宅土地の評価を下げる「小規模宅地の評価減」の規定は、申告期限内に遺産分割することが要件となっています。申告期限は死亡日から10か月以内です。それ以降に気付いて遺産分割しても小規模宅地の評価減は適用できません。

もし、上の例で、相続税がかからないからと言って遺産分割も申告もせず、申告期限を過ぎてからすべての財産を長男と次男に相続してしまえば、配偶者の税額軽減も適用できませんので、170万円の相続税と無申告加算税が課税されることになります。

相続税法の税額軽減規定には、遺産分割が要件となっているものが多いので、注意が必要です。

また、住宅ローンが残っているので、相続税は心配ないと思ってらっしゃる方も、団信保険に加入している場合借入金がなくなりますので、注意してください。

また逆に、財産より借金が多い場合には思ってもみなかった借金を背負うことになりかねません。借金を相続しないようにするには相続放棄という方法がありますが、相続放棄は死亡日から3カ月以内に手続きをする必要があります。葬儀や四十九日法要などでバタバタしていると気付けば3カ月が過ぎていたということは良くあります。

身内が亡くなった場合、いろんなケースが想定されますので、財産の多寡にかかわらず、できるだけ早く税理士に相談されるのが良いと思います。

 

ふるさと納税はされてますか?

2015-01-10

皆さん、明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願い申し上げます。

突然ですが、ふるさと納税はされてますか?平成20年からふるさと納税制度が開始されましたが、開始当初に比べ、最近はかなり浸透してきたように感じます。便利なサイトもありますので、利用しやすくなってきましたね。

ところで、総務省が発表しているふるさと納税の実績数は次の通りです。

平成21年(20年中の寄付)33,149名

平成22年         33,104名

平成23年         33,458名

平成24年        741,677名(東日本大震災の影響)

平成25年        106,446名

当初3万人ぐらいでしたが、平成25年実績で10万人とかなり伸びてきていますが、でも全国で10万人ですから、まだまだ、たいした人数ではないですね。

ふるさと納税の趣旨は、自分が納める税金を自分の応援する自治体や事業に寄付することで、市民が主体的に納税ができるというものです。また、地方への寄付が増えることで、地方経済の活性化につながる可能性もあります。

しかし、最近、ふるさと納税が注目されているのは、そのような趣旨よりも、寄付すると各自治体から送られてくる特産品などのお礼がとても魅力的になっているからです。

更に今年は制度が拡充される予定で、4月からは控除限度額が今の倍になるとのこと。また、今までは確定申告をしないと控除が受けられなかったのですが、今年の4月からは「ふるさと納税ワンストップ特例制度」が導入され、寄付した自治体で自治体間の処理をしてくれるようになるので、サラリーマンのふるさと納税が一気に増えるのではないでしょうか。

ただし、こういう意見もあります。住民税の納税はあくまで住んでいる町の行政サービスを受けるための対価のようなものなので、自分の住んでいる町に一切納税しないのはどうか。というもの。

まあ、安倍政権も、「地方創生」を政策の柱と位置付けていますので、堂々とふるさと納税をしてもよいかなと思いますが、皆さんはどうお考えですか。

 

今年の漢字は「税」に決まりました!

2014-12-13

今年もあとわずかとなり、毎年恒例の「今年の漢字」が決まりました。日本漢字能力検定協会の発表によると今年の漢字は「税」だそうです。消費税の増税など税に関する関心が高まった一年でしたね。

わたしも税理士として「税」には大変お世話になっていますので、今年の漢字にちなみ、「税理士」の果たすべき役割について基本に戻って考えてみました。

税理士法第1条には「税理士は税務に関する専門家として、独立した公正な立場において、申告納税制度の理念にそって、納税義務者の信頼にこたえ、租税に関する法令に規定された納税義務の適正な実現を図ることを使命とする。」と明記されており、まさに税理士業務の基本が謳われています。

税理士はその出自をたどれば、明治時代の「税務代弁業」から始まり、税務署の補助機関である「税務代理士」を経て、現在の税理士へと発展してきたのであり、もともとは国の税務行政を補助する立場、いわゆる国の出先機関的な立場でした。

このような経緯から考えると、税理士の使命はまさに「納税義務の適正な実現」であり、それ以上でも以下でもありません。

ただし、税理士制度が現在の形に発展していく過程で、税理士の立場はより専門性と独立性及び公正性をそなえるべき立場に進化してきました。

税理士法第1条をもう少し噛み砕いて見ると、納税義務の適正な実現を図るためには、税理士は次の条件を満たさなければならないと言っています。

1.税理士は税務の専門家でなければならない

2.税理士は独立した公正な立場でなければならない

3.税理士は申告納税制度の理念に沿わなければならない

4.税理士は納税義務者の信頼に応えなければならない

5.税理士は租税に関する法令を遵守しなければならない

つまり、税理士は当然、税務の専門家であらねばならず、税法を熟知していなければならない。税務署が法人部門や個人部門などに細分化されているのに対し、税理士はあらゆる税法に精通し、様々な問題に対処していかなければならない。

また、その立場はあらゆる誘惑や圧力から独立していなければならず、かつその判断は公正でなければならない。納税者にも税務署にも与せず、自己の良心に従って常に客観的な判断を下さなければならないのです。

さらに日本の税制の根幹である申告納税制度を維持していく立場でもあります。国から一方的に課税される賦課課税制度ではなく納税者自らが自主的に申告する申告納税制度を維持していくことは、「義務」である納税を「権利」として高次に保持することなのです。国民の納税意識の極端な低下は、申告納税制度という権利を自ら放棄することに等しい。申告納税制度の重要性を国民に理解してもらうためにも税理士は租税教育の一端を担っていくべきです。

制度としては、税理士は国からの要請で存在していますが、一方、税理士が職業として成立するためには納税者から報酬を得る必要があります。国からは一円も支給されません。よって、納税者の信頼に応えられるかどうかは、税理士にとって死活問題です。

ただし、報酬を得ている手前、納税者の立場になり過ぎるきらいがあります。納税者のためにという気持ちが強よ過ぎると税法を逸脱しかねません。節税指導はよいが脱税指南になってはいけない。税法を逸脱して納税者にアドバイスすれば、結局、納税者にも痛いしっぺ返しがかえってくることを肝に銘じなければなりません。

税理士業務にはコンサルタント的な様々な業務が付随しており、納税者のニーズは申告業務にとどまりません。もちろんそういったニーズに応えていくことは必要ですが、いろんなサービスに手を広げすぎ肝心の税務会計業務がおろそかになっては本末転倒です。

今後も、税理士法第1条に書かれた税理士の使命を肝に据え、税理士として恥ずかしくない言動を心掛けていきたいと思います。

みなさんも、明日が総選挙の投票日でもありますし、「税」についてじっくり考えてみてはいかがですか。

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