11月, 2020年

医療崩壊を防ぐために、コロナを「指定感染症二類」から「五類」へ!

2020-11-21

全国のコロナウイルス陽性者数は2,595人ということで、連日、過去最高を更新しています。政府は「GoToキャンペーン」の運用を見直し、都道府県知事は再び休業要請を検討し、テレビではどのチャンネルも、感染拡大を危機的状況であると報じています。

われわれも外出時にはほぼ100%の人がマスクをしています。しかも屋内のみならず屋外でも。屋外でマスクをする必要はないと思いますが、それでも街行く人は皆マスクをしています。国民の意識が高いのかそれとも同調圧力なのかわかりませんが、そこまで警戒しなくても、という場面にはよく出くわします。

さて、コロナ発生からすでに1年近くになろうとし、様々なデータが出てきているにもかかわらず、知事や医師会やマスコミは、データに基づかない発言を繰り返し、国民の不安感はますます増幅されてしまいます。本当に日本は危険な状態なのかどうか、「欧米諸国との比較」や「医療ひっ迫の現状」について、再確認してみましょう。

 

【1】まずは、陽性者数や死者数を欧米諸国と比較してみます。

1.陽性者数

11月までの日本の累計陽性者数は約13万人、アメリカは1,200万人、フランスは210万人。

日本の一日当たりの最多陽性者数は約2,500人、アメリカは約190,000人、フランスは約60,000人。

日本の2月から11月の10カ月間の累計陽性者数は13万人ですが、これはアメリカの1日の陽性者数19万人にも満たない人数です。10カ月の数字と1日の数字を比較するなんて、統計学的にはあり得ません。これだけの大きな差を考えると、日本とアメリカでは、感染リスクが全く違う次元にあることがおわかりでしょう。日本の感染リスクは欧米諸国に比べ圧倒的に低いことは、データが証明しています。

2.死者数

日本の累計死者数は約2,000人、アメリカは250,000人、フランスは48,000人。

死者数も日本は、アメリカの約125分の1、フランスの24分の1です。この数字も日本と欧米諸国のコロナウイルスが同じウイルスなのかと疑いたくなるほどの差です。もしアメリカが日本並みの死者数であれば、おそらく既に収束宣言をしているでしょうね。

以上の様な傾向が、今年4月の時点であればまだエビデンスとして弱いかもしれませんが、あれから半年が経過してもその傾向は全く変わりませんので、日本は欧米諸国よりコロナウイルスに対する耐性が相当高いことが実証されたのではないでしょうか。

 

【2】現状、陽性者数が増加している原因とは。

最近、1日の陽性者数が2,500人と増加傾向にありますが、その原因とは何でしょうか。一つには風邪が流行り始めており発熱患者が増えてきていることが言えます。発熱患者が増えるとPCR検査の対象も増え、もし陽性と判定されれば濃厚接触者へ検査を拡げることとなります。今はPCR検査の検査能力が3月や4月のころに比べ5倍から10倍に増えており、また、検査方針が積極的に濃厚接触者を見つけ出しPCR検査をどんどんやっていこうというように変わっていますので、自ずと陽性者数が増加しているのだと思います。

もう一つの原因は、日本のCT値(PCR検査の増幅度)がかなり高く設定されており、感染力の無いわずかなウイルスしか付着していない人でも、陽性者と判定されてしまっていることです。先日インドネシアからの来日者の17人が、出国時に陰性証明を受けたにもかかわらず日本での検査で陽性と判定されました。陰性証明の偽造がないとすれば、これはおそらく日本のCT値が諸外国よりも高めに設定されているからでしょう。京大の宮沢准教授によると、日本のCT値は40ということでかなり高いレベルとのことです。例えば、台湾のCT値は35ですので、台湾で陰性でも、日本の検査では陽性になることが起こりえるらしいのです。台湾の陽性者数が世界的に少ないのはこのCT値のせいかもしれませんね。

いずれにしましても、CT値が高い状態でPCR検査を無症状の人にまで拡げてしまうと、感染していない人や感染力の無い人まで陽性者としてカウントしてしまいます。いわゆる擬陽性の人を引っ掛けてしまうのです。

 

【3】次に、日本の医療体制のひっ迫について見てみたいと思います。

最近特に気なるのが、知事や医師会の会長などによる「医療体制ひっ迫発言」です。どういう発言かというと、「このまま感染者数が増加すれば、医療提供体制がひっ迫します。国民の皆さんは今まで以上に気を引き締めて生活してください」というものです。このような発言を聞くと、「この半年間、政府、知事、医師会は何をやってたんだ!」と怒りたくなるのは私だけでしょうか。

思い出してください。4月に緊急事態宣言が出された最大の理由は医療崩壊を防ぐことでした。その時間稼ぎをするために、国民は1か月半の間、相当の犠牲を払い緊急事態宣言に協力したわけです。

その後、一旦収束したかに見えましたが、7月にまた陽性者数が増加し、そのころ政府や専門家の間でよく言われたのが、「冬場にインフルエンザとコロナが同時に来たら大変なことになる」ということでした。要するに、7月頃にはすでに、冬場のコロナとインフルエンザの同時発生のリスクについて、十分想定できていたわけです。にもかかわらず、いざ11月になって、案の定、陽性者数が増えてきたら4月と全く同じように、「医療体制ひっ迫発言」を繰り返すとはどういうことでしょうか? 政府、知事、医師会は、この半年間、やるべき準備をやっていたのでしょうか!

例えば、大阪府の吉村知事は先日、「医療体制は厳しくなっており、もし重症者用の病床使用率が50%超になれば、飲食店に休業要請をせざるを得ない。」と発言しています。いやいやちょっと待ってください。50%超になればじゃなくて、50%超にしないようにするのが知事の役目じゃないんですか?

たしか、大阪府は、「大阪コロナ重症センター」を建設中で、11月に30床翌年1月に60床の重症者用ベッドを準備しているはずです。これら90床のベッドはカウントされていないのでしょうか。これら90床がカウントされているとすれば、再び休業要請をするほど医療体制がひっ迫しているとは思えません。もしそれでもひっ迫しているというのであれば、もともとの対策が甘かったとしか言いようがありません。

 

そもそも日本の医療体制は今のコロナの感染状況ぐらいのことで、ひっ迫するほどの脆弱なものなのでしょうか。1日当たりの陽性者数がアメリカが170,000人のときに、日本では1,700人しか出ませんでした。1日170,000人のアメリカで医療崩壊が起きず、なぜ1,700人の日本で医療体制がひっ迫するのでしょうか。

また、インフルエンザでは毎年3,000人の死亡者が出ており、その背景には相当数の重症者がいるはずにもかかわらず、インフルエンザでは医療のひっ迫が起こらず、なぜコロナウイルスでは医療のひっ迫が起こるのでしょうか?

そのひとつの原因として、コロナウイルスが「二類感染症」に指定されているからだとは言えないでしょうか。「二類感染症」とは、結核、SARS、鳥インフルエンザと同等で、三類感染症のコレラ腸チフス、四類感染症のデング熱日本脳炎よりも危険度が高いとされています。「二類感染症」に指定されると、医療施設のゾーニング、消毒、防護服の着用、保健所への届出、PCR検査の手配、入院の強制など、医療機関には様々な負担が強いられます。患者が重症化した場合は、原則、助かる可能性の少ない患者でも人工呼吸器につなぐことになり、そうなるとコロナ患者でICUがいっぱいになり、その患者を看るために医師や看護師も相当数取られるわけです。

このようにコロナ患者の治療において、インフルエンザ患者が重症化した場合の何倍もの負担がかかることが医療ひっ迫を招いている一因だと思われますが、もう一つ、別の理由も医療ひっ迫の原因となっていると考えられています。それは、大阪府の事例ですが、コロナで死亡した患者の6割以上の人が、高齢であることや健康状態を理由に、家族が延命措置を望まず、人工呼吸器を装着せずに死亡しているという記事が見られました。6割というとかなり高い割合だと感じますが、もしかしたら、コロナよりもインフルエンザの方が人工呼吸器の装着を断る人が更に多いのかもしれません。それゆえインフルエンザは、毎年3,000人もの死亡者を出しているにもかかわらず、医療体制のひっ迫を招くことが無いのかもしれません。穿った見方ですが、コロナが「二類感染症」に指定されていなければ、インフルエンザと同じように、延命措置についての判断が柔軟になり、本当に必要な人にだけ人工呼吸器を装着することができ、医療体制のひっ迫を防ぐことになるのではないでしょうか。コロナウイルスの死亡者の大半が基礎疾患のある70歳以上であるということは、すでに他の病気で余命いくばくの無い方がコロナウイルスに感染し、重篤化するケースがかなり多いのではないかと考えられます。そういう方々に苦しい思いをさせてでも人工呼吸器をつなぐべきかどうかという葛藤は、インフルエンザ以上にコロナの医療現場では生じていて、やむを得ず人工呼吸器を装着している例が多いのかもしれません。この点については、想像に過ぎないので、是非、現場の医師の方々のご意見をお聞きしたいものです。

このように、本来はインフルエンザと同じ「五類感染症」が妥当なコロナウイルスに対して、「二類感染症」の結核やSARS並みの対処をしていることが、医療体制をひっ迫させている一因なのかもしれません。

また、コロナウイルスが「二類感染症」に指定されていることによる弊害として、インフルエンザと同時流行した場合の対処が難しいという点があります。コロナウイルスが「二類感染症」のままインフルエンザや一般の風邪が流行してしまうと、医療現場では相当な混乱が予想されます。一般の病院に発熱患者が来院した時に、インフルエンザの検査はできても、PCR検査はできないからです。もしインフルエンザでない場合は、一般の風邪かコロナかわからないので、それからまた保健所に連絡しPCR検査ができる医療機関に送る必要があるのです。万が一、インフルエンザや一般の風邪が例年のように流行すれば、その数はもの凄いことになります。そのような混乱に巻き込まれたくない一般の病院は、発熱患者の受診を拒否しかねません。そうなった場合、インフルエンザに罹患しやすい子供たちの治療が放置されかねない事態を招いてしまうのではないでしょうか。現在、インフルエンザの感染者数は、例年に比べ1%にも満たないらしく、もしかしたら今冬、インフルエンザの流行がかなり抑えられるかもしれませんが、万が一に備え、インフルエンザが流行る前に、コロナウイルスを「二類感染症」から「五類」に変更しておくべきではないでしょうか。

ただし、「コロナウイルス」を「インフルエンザ」と同じ「五類」にしてしまうと、感染が拡大するおそれはあります。しかし、その一方、民間の病院や、一般の開業医でもコロナ患者を受け入れやすくなり、特定の医療機関に集中している患者を、医療機関全体で見られるようになります。このように医療資源が圧倒的に増えることで、たとえ感染が拡大したとしても、医療崩壊を抑えることができるのではないでしょうか。

コロナウイルスの性格がある程度見えてきた今、そろそろ、感染の抑え込みという「公衆衛生的対応」から、「治療」に軸足を移すべき時期が来ているのではないでしょうか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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