9月, 2016年

いよいよ社会保険の適用拡大!!

2016-09-20

いよいよこの10月より、社会保険制度の大改革が始まります。社会保険の加入対象者の大幅拡大です。

今までは、1週間の所定労働時間が30時間以上の従業員が加入対象でしたが、10月からは1週間の所定労働時間が20時間以上でかつ1か月の所定内賃金が88,000円以上の従業員が加入対象となります。ただし、被保険者数が500人以下の事業所は対象外となりますが、平成31年9月までに対象事業所の範囲が検討され、500人以下の事業所についても対象となる可能性があります。

現在の社会保険料率は、厚生年金と健康保険を合わせて、約30%となっています。労使折半ですので、従業員からは15%を天引きし、事業主も15%を負担するということになっています。

保険料率30%とはかなりの負担であり、例えば年収120万円のパートの場合、パート本人の社会保険料の負担額が年間18万円、事業主の負担も18万円となります。通勤手当なども対象ですのでさらに金額は多くなります。

年収120万円のパートの場合、改正前であれば勤め先で社会保険に加入する必要がなく、かつ夫の扶養に入ることができ、さらに第3号被保険者として国民年金保険料も国が負担してくれるというメリットがあったわけです。ところが改正後は、勤め先で社会保険料を年間18万円以上負担させられ、夫の扶養に入れず、第3号被保険者としてのメリットもなくなるのです。

労働者の負担も増えますが、事業主の負担も相当なものです。年収120万円のパートを100人雇っている事業所を例に挙げると、年間給与額が1億2000万円に対して、改正前は社会保険料を全く負担する必要がなかったのに、改正後はなんと年間の社会保険料の負担額が1,800万円になるのです。特に人件費率の高い業種ではこの負担は経営に大きく影響します。

今少子高齢化で労働人口が減少している中、政府は主婦の労働力を活用しようということで、いわゆる103万円の壁である、配偶者控除の廃止に動き始めています。配偶者控除を廃止するとなぜ主婦の労働力が活用できるかというと、現状主婦パートの人は、年収が103万円を超えると、夫の扶養家族から外れるので年収を103万円までに抑えようとし、結果として労働時間をセーブしている人が多いのです。配偶者控除を廃止すれば、103万円の壁など気にせず、主婦が目いっぱい働いてくれるだろうというのが政府の考え方です。(なお、現在は配偶者特別控除がありますので、年収が103万円から141万円までは、段階的に控除額が減少しますので、103万円の壁という考え方自体どうかと思います)

では、実際、現在パートとして働いている主婦は、社会保険の改正と配偶者控除の廃止のどちらに影響を受けるでしょうか。夫の年収にもよりますが、例えば夫の年収が600万円の場合、配偶者控除廃止による夫の税負担の増加額は約11万円です。

一方、パートとして働く主婦の社会保険料の負担額は年収が106万円の人で約16万円です。年収を106万円以下に抑えればその負担額は0円となります。

年収が120万円前後の人であれば、おそらく社会保険の加入対象者になることを避けるために、年収を106万円以下に抑えようとするのではないでしょうか。

今回の社会保険の改正と、配偶者控除の廃止はまるで、ブレーキを掛けておいてアクセルを踏み込もうとするようなものではないでしょうか。つまり、社会保険の106万円の壁がある限り、配偶者控除を廃止したとしても、主婦のパート労働に対する行動はほとんど変わらないと思われます。

さらに、事業主側も社会保険料の負担を軽減するために、より短時間で働いてくれる労働者を求めていくでしょう。

つまり、配偶者控除の廃止は、主婦の労働力を活用するどころか、社会保険の改正により急激なブレーキを掛けられたまま、単なる増税に終わってしまうのではないかということです。

主婦の労働力を活用したいのであれば、待機児童の問題など、改善すべき問題は他にもっとあるのではないでしょうか。

 

 

史上最年少プロ棋士誕生!! 藤井聡太とは

2016-09-05

以前から将棋界では若き逸材が注目されていました。2年連続詰将棋日本一になるなど、その終盤力の強さ、読みの速さと深さで早くもその名を轟かせていた中学2年生。その彼がこのたび、若干14歳2か月で四段昇段を決めたのです。

その名は藤井聡太奨励会三段。

14歳2か月での四段昇段はあの神武以来の天才と謳われた加藤一二三九段の14歳7か月の記録を62年ぶりに抜く史上最年少記録となります。また、中学生棋士は今まで、加藤一二三九段をはじめ谷川浩司九段、羽生善治三冠、渡辺明竜王のたった4人しかいません。このそうそうたるビッグネームに名を連ねることとなったのです。

羽生三冠は今回の昇段に際して、「三段リーグからの四段昇段は、史上最年少記録の価値をより高める快挙だと思います。これ から棋士として注目を集めることになると思いますが、それを乗り越えて歴史に名を残すような棋士になることを期待しています。」というコメントを寄せています(将棋連盟ホームページより)。

これから、羽生や渡辺、佐藤天彦名人などとの対戦が見られると思うと、本当にわくわくしますね。

彼が尊敬する棋士は谷川浩司とのこと。光速の寄せで一時代を築いた谷川浩司に勝るとも劣らぬ終盤力を発揮して、名人や竜王をバッタバッタとなぎ倒して欲しいですね。

そして、PONANZAをはじめとするコンピュータソフトともできれば10代のうちに対戦して欲しいです。

これからの将棋界をいい意味で掻き回して行ってください。

 

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