9月, 2018年

インボイス制度の導入間近! 免税事業者にも大きな影響!

2018-09-01

消費税の計算上、インボイス制度(適格請求書等保存方式)が5年後の2023年度より本格的に導入されます。2019年10月からは軽減税率の導入に合わせ、「区分記載請求書等保存方式」が始まります。

インボイス制度は事業者にどのような影響を及ぼすのでしょうか?

まず、請求書や領収証(いわゆるインボイス)に記載する内容が増えます。

請求書発行事業者の氏名又は名称、取引年月日、取引内容、受領者の氏名又は名称に加え、「適格請求書発行事業者登録番号」、「軽減税率の対象品目である旨」、「税率ごとに区分した金額と適用税率」、「税率ごとに区分して合計した消費税額」を記載しなければなりません。

領収証を発行する事業者はレジなどの切り替えが必要となります。

領収証を受け取る側は、インボイスが無いと仕入税額控除ができなくなり、インボイスの記載金額を税率ごとに区分して帳簿をつける必要があります。

具体的に考えると相当大変で、領収証を税率一つのもの、税率二つのもの、インボイスに該当しないものに区分し、それぞれの金額と税率を分けて記載しなければなりません。これだけで今までの倍ぐらいの手間がかかるのではないでしょうか。今後軽減税率の種類が増えていけば手間は更にかかってくるでしょう。経理処理は相当面倒くさくなること間違いありません。会社の経理の方は相当苦労されるのではないでしょうか。

一方、インボイス制度導入は消費税の課税事業者のみならず免税事業者にも大きく影響しそうです。

なぜかと申しますと、この制度ではインボイスが無いと仕入税額控除ができないと既に申しましたが、免税事業者はそのインボイス(適格請求書等)を発行することができないのです。よって、購入者側は免税事業者から物を買ったり仕入れたとしても、インボイス自体が無いので、そこにかかる消費税の仕入税額控除ができないわけです。

もし税込価格が同じ値段の物を買う場合、買う側からすれば仕入税額控除のできない免税事業者よりも、仕入税額控除ができる課税事業者から買う方が消費税分得なので、免税事業者から物を買わなくなるでしょう。免税事業者としては消費税分を値引きするか、課税事業者を選択してインボイスを発行できるようにするかしか対抗手段はなくなります。

今まで免税事業者が享受していた益税のメリットがこの制度導入によりなくなるということです。おそらくこの部分が今回の消費税法改正の肝であると考えられます。

今回の改正で、益税という消費税独特の不公平は解消されますが、免税事業者にとっては非常につらい税制改正と言えます。

 

 

 

 

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