Archive for the ‘お知らせ’ Category

アメリカの航空会社が不親切な理由

2017-06-16

最近ネットによく、アメリカの航空会社の乗客に対するひどい対応がアップされていますが、私もアメリカで嫌な体験をしました。

オーランド空港からマイアミへのフライトだったのですが、某アメリカの航空会社(以下A社とします)の対応は本当にひどかったです。

オーランド空港11時50分発のA社の便にチェックインをし、搭乗口に行ったのですが、出発時刻がいつの間にか12時30分に変更になっていました。いわゆる遅延です。おそらく港内放送はされていたと思いますが、英語があまり得意ではない私はそれに気付かなかったのです。これが11時過ぎのことです。

オーランドからマイアミは飛行機で1時間ほどの短いフライトですので、40分ほどの遅れならしょうがないかなということで、12時30分の出発を待っていました。

しかし、12時前には、今度は15時00分:DELAYED(遅延)と電光板が変更されました。さらに2時間半の遅延です。実はその日、マイアミで19時からのマーリンズの試合を見る予定でしたので、この遅延には焦りました。

遅延理由を訊くため搭乗口の受付に、片言の英語で質問をしたら、なんとタイヤのパンクが原因でした。受付の女性はパンクしたことのみを告げただけで、この後どうしたらよいのかのアドバイスは全くくれませんでした。飛行機を見に行くと確かにタイヤが取り外されていました。ただ、15時に出発できれば、なんとかマーリンズの試合には間に合うので15時発を待つことにしました。

ところが14時過ぎには、電光板は17時00分:DELAYEDという表示に変わっていました。さらに2時間の遅延です。これでは到底マーリンズの試合に間に合いません。

これはまずいと、ここで事の重大さに気づき、私はその時点で他の便に変更してもらうため、同じA社の次の便の搭乗口まで行き、受付に便を変更してもらいたいとつたない英語で伝えました。するとその受付の女性は、私のチケットを預かり、今この便には空席が無いというようなことを私に言ってきました。そしてチケットを預かっておくので、名前を呼ぶまでこの周辺で待つようにと言ってきました。私はパンク修理の進捗状況や便の変更ができるかどうかを訊きたかったのですが、説明はしてくれず、私が邪魔なのか手で追い払われました。私はしょうがなくその搭乗口周辺で待ちました。しかし、約1時間ほど待っていましたが、その間何の説明もなく、そのうちその便の搭乗が始まったかと思うと搭乗が終わってしまい、結局その便に乗れませんでした。

私は受付の女性にどうなっているのか詰め寄りましたが、彼女はチケットを私に返しながら、何の謝罪もなく、A社の受付センターに行くように言ってきました。「それだったら最初から受付センターに誘導してよ!」と言いたかったのですが、そこまでの英語力が無い私は何も言い返せませんでした。それにしてもA社従業員の不適切で不親切な対応には本当に腹が立ちました。1時間も無駄に待たされたのです!最初から受付センターに案内してくれていれば、他便への変更ができていたかもしれません。この時点で既に15時を過ぎていました。

私は、急いでA社受付センターに向かいました。その受付センターでは3人の人間が対応していましたが、便の変更を求める客で長蛇の列です。受付の人間は終始冷静(冷酷?)に対応しています。もちろん客に謝罪をしている者は一人もいません。客も西洋人はいつものことといった感じで淡々と並んでいますが、それに対してアジア系の人たちは怒っている人が多かったです。

1時間ほど列に並びようやく順番が回ってきたのが16時を過ぎていました。再びつたない英語で便の変更を依頼すると、もちろん相手は何の説明も謝罪もなく淡々とチケットを処理し、17時45分発の便への変更となりました。ただ、このチケットはまだ座席が決まっていないもので、この便の搭乗口で再度処理してもらわなければならなかったらしく、その処理をすべきことも私は聞き取れていませんでした。

ただチケットに座席番号が記載されていなかったので、不安になった私は念のため搭乗口に行きチケットがこれでいいか質問すると、そこの受付の女性はチケットを受け取ると何も言わず処理し始めました。そしてまた無表情でチケットをこちらに返し、邪魔だからそこをどけというしぐさをするのです。

わたしは、スーツケースを預けていたので、スーツケースも17時45分の便に振り替えられているかを確認したかったので、なんとか英語で質問するのですが、なかなかその受付に通じず、受付もうっとうしがって早口の英語でペラペラしゃべり、そこをどけというしぐさを繰り返すのです。

さすがの私もキレそうになり、かなり強い口調で「Speak Slowly」と言いました。その声色に動揺したのか、受付の女性の表情が変わり、ゆっくりめの英語で説明し始めました。ゆっくり話してくれたので私も聞き取れ、スーツケースも振り替え済みということがわかりました。

この時点で16時半になっていました。結果的に17時45分発のA社の飛行機に乗ることができたのですが、6時間遅れの出発です。もちろんマーリンズの試合も5回裏からしか見られませんでした。代打で出てきたイチローのヒットを見られたのがせめてもの救いでした。

恥ずかしながらアメリカの空港での遅延トラブルについて長々と書かせていただきましたが、どのセクションに行っても全く謝罪がないですし、乗客のために何かをしてあげようという親切心は全く感じられませんでした。現場の従業員全員が、自社の整備不良が原因で乗客に迷惑をかけているという感覚が無いのです。というか飛行機の遅延で忙しく働かされている自分たちの方が被害者であるかのような感じで対応するのです。もちろん遅延理由が天候不良や機材不備であれば、運送約款上航空会社に損害賠償責任はありませんが、サービス業である以上、そこには乗客に対する気遣いがあってしかるべきではないでしょうか。

上記の様な遅延トラブルがもし日本の航空会社で起こった場合、特に客が日本語や英語を話せない時には、このような対応になるのでしょか!?ANAやJALの方、いかがでしょうか?

私の経験上、日本の航空会社の対応で不親切だと感じたことはほとんどありません。

では、アメリカの航空会社はなぜ不親切なのでしょうか?

一つには日本と異なり、遅延が日常茶飯事に発生していることが挙げられます。遅延への対応が通常の作業と変わらないので、乗客に迷惑をかけているという感覚が麻痺してしまっているのでしょう。よって、日本の航空会社の親切な対応に慣れた日本人には不親切に感じられてしまうのだと思います。

二つ目にはアメリカが訴訟社会であり、とにかく責任を取りたがらない国民性があります。アメリカ人の特徴だと思いますが、トラブルが発生した時ほど態度が冷たくなりますね。訴訟社会ですから責任を回避しようとする態度が反射的に出てしまうのかもしれません。客を助けようという意識よりも、自分の責任を追及されたくないという意識の方が強まる感じです。これは日本人とは全く逆の反応ですね。

もう一つの理由としては、アメリカの労働者は与えられた仕事以上のことはしないという慣習があります。空港のみならず、総じてアメリカのサービス業で働く人たちは、客から要求しない限り何もしてくれません。また気を利かして便宜を図ってくれることもありません。たとえば、英語ができない者に対しては冷たい対応をします。もちろん片言の英語で話しかけられて困惑している面もあるでしょうが、言葉が通じない時点でサービスはストップします。それは彼らが個人的に不親切だからというよりも、英語以外の言葉を理解することが彼らの仕事ではないからなのだと思います。雇用契約上、英語以外の言葉に応対することは、彼らにとって契約外事項なのだということなのです。

今回、A社の従業員からは一切謝罪の言葉はありませんでしたが、これも、「謝罪」は現場で働く彼らのやるべき仕事ではない、つまり契約外事項だからなのです。よって当然謝りもしないし申し訳ないという態度にもならない。もし彼らに謝罪をしてもらいたかったら、チップを払うのがアメリカ社会なんですね。謝罪は有料です。「SORRY:1$」みたいな。

要するに、アメリカ人は個人的には不親切ではない(と期待したい)が、訴訟社会であることを背景に、自分に与えられた仕事以外には一切タッチしないというルール、いわゆる「It’s not my business」という行動様式が徹底されているので、日本人にとってはそのドライな対応が「なんて気が利かず不親切なのだろう」と映るのだと思います。

今回の旅行のように、海外でトラブルに巻き込まれると、その国独自のシステムや慣習、国民性に直に触れることができます。そのときには腹が立ったり、カルチャーショックを受けたりしますが、それはその国への理解の入り口になると思います。そして他国の文化と比較して、日本はどうだろうと考えさせられます。今回不愉快な思いはしましたが、アメリカの慣習や国民性を批判しても意味はないでしょうし、いくら批判してもこちらの都合の良いようにアメリカが変わることはありません。それより他国の文化や国民性を理解しておくことが重要なのだと思います。

今回の経験により、最近、日本が外国人観光客から人気を得ている理由もなんとなくわかりました。アメリカと比較し、接客のレベルは圧倒的に優れています。客のことを第一に考えて行動するという習慣が身についています。英語が通じにくいというハンディはありますが、外国人観光客の言葉が理解できなくても、何とか理解してあげようと努力しますよね。それが売店の店員さんであっても。しかも「スマイル:0円」で!

今後、言葉の問題はAIの発達で解消されるでしょう。そうなると日本人のおもてなしの心はより外国人に伝わりやすくなるのではないでしょうか。

日本の観光資源は名所や和食や治安の良さだけではありません。サービス業における心遣いや親切な国民性は他国と比べ大きなアドヴァンテージになるのではないでしょうか。

 

 

 

確定申告のご準備をお願いします

2017-02-19

今年も確定申告の時期が到来しました。

マイナンバーの記載欄もでき、本格的にマイナンバーを申告書に記載する必要が出てきましたので納税者の皆さんはご協力ください。

最近はふるさと納税の申告をされる方も増えてきました。ふるさと納税をされた方はお申し出ください。

3月15日までは弊所もごった返していますが、所員一同頑張ってやっていますので、ご協力のほどなにとぞよろしくお願い申し上げます。

 

 

 

三浦九段の不正問題について

2016-12-27

将棋界に衝撃が走った三浦九段の将棋ソフト不正使用問題ですが、昨日の第三者調査委員会の調査結果の報告は、その不正を否定するものでした。三浦九段は白だったということです。

報告書の内容を掻い摘まんで言うと、三浦九段から提出されたスマホやパソコンに不正利用の痕跡が認められなかったこと、将棋ソフトとの指し手の一致率の高さが三浦九段以外の棋士と比較し特別高くなかったこと、対局中の離席も問題となる離席ではなかったこと、など、当初将棋連盟が指摘したことがことごとく否定されました。

ただ気になるのが、調査委員会が、連盟による三浦九段の出場停止処分については、竜王戦を控えた非常事態でやむを得なかったと判断したことです。

しかし、本当に不正がなかったとしたら、将棋連盟の拙速な判断により、三浦九段はとんでもない被害を受けたことになります。

賞金が4,000万円を超える竜王戦の挑戦権を剥奪され、出場停止による順位戦の降格の危機、そして何よりも棋士としての名誉が著しく傷つけられたわけです。

調査委員会は連盟の出場停止処分をやむを得ない措置であったと擁護しますが、本当にやむを得ない措置だったのか、最も疑問の残る点です。

もし、竜王戦の直前でなければおそらくこの様な拙速な処分をしなかったのではないかと思われます。竜王戦に汚点を残したくないという連盟の焦りが、判断を誤らせたのではないでしょうか。

その一つの原因として将棋連盟と新聞社などメディアスポンサーとの力関係があるのではないでしょうか。現在はドワンゴなどのネット系のメディアとうまく付き合い新聞社一辺倒ではなくなってきていますが、やはり新聞社あっての将棋連盟ということはできます。つまり、新聞社などのメディアスポンサーがなければ、将棋界は現在のような地位を確保できないということです。読売新聞がスポンサーだからこそ、4,000万円を超える優勝賞金が出せるわけです。

新聞社への傾倒がよく表れた例として、名人位と竜王位の格付けがあります。皆さんは名人位と竜王位どちらが格上かわかりますか。名人位と答えられる方が多いと思いますが、実は現在は竜王位が格上とされています。将棋の歴史的にも、順位戦という制度的にも、あきらかに名人位が上のはずですが今はそうなっていないのです。理由は、竜王戦の主催者が読売新聞であり、優勝賞金をはじめ最もお金を提供してくれるのが読売新聞だからなのです。将棋連盟は読売新聞には頭が上がらない立場にあるのです。

今回の連盟の拙速な処分については、ある意味、三浦九段が大スポンサーとの天秤にかけられ、大スポンサーが優先されたからだといっても過言ではありません。

私は将棋が大好きで、棋士たちが繰り広げる妙手や好手に興奮します。その将棋をこれからも見続けたいですし、更に質の高い熱戦を期待しています。しかしそのためには将棋界が維持されなければなりません。そして、将棋界を維持するにはやはりお金がかかります。ただ、だからと言ってスポンサーへの気遣いばかりをし、最も大切にすべき才能豊かな棋士たちを軽んずることだけは避けて欲しいと思います。

プロ棋士より強いコンピュータソフトが出現した今、将棋界は将棋という卓上ゲームにどのような価値を見出し、わずか160名ほどしかいないプロ棋士の存在意義をどう位置づけていくのかということを真剣に考えるべき時期に来ていることは間違いありません。

 

 

 

 

いよいよ社会保険の適用拡大!!

2016-09-20

いよいよこの10月より、社会保険制度の大改革が始まります。社会保険の加入対象者の大幅拡大です。

今までは、1週間の所定労働時間が30時間以上の従業員が加入対象でしたが、10月からは1週間の所定労働時間が20時間以上でかつ1か月の所定内賃金が88,000円以上の従業員が加入対象となります。ただし、被保険者数が500人以下の事業所は対象外となりますが、平成31年9月までに対象事業所の範囲が検討され、500人以下の事業所についても対象となる可能性があります。

現在の社会保険料率は、厚生年金と健康保険を合わせて、約30%となっています。労使折半ですので、従業員からは15%を天引きし、事業主も15%を負担するということになっています。

保険料率30%とはかなりの負担であり、例えば年収120万円のパートの場合、パート本人の社会保険料の負担額が年間18万円、事業主の負担も18万円となります。通勤手当なども対象ですのでさらに金額は多くなります。

年収120万円のパートの場合、改正前であれば勤め先で社会保険に加入する必要がなく、かつ夫の扶養に入ることができ、さらに第3号被保険者として国民年金保険料も国が負担してくれるというメリットがあったわけです。ところが改正後は、勤め先で社会保険料を年間18万円以上負担させられ、夫の扶養に入れず、第3号被保険者としてのメリットもなくなるのです。

労働者の負担も増えますが、事業主の負担も相当なものです。年収120万円のパートを100人雇っている事業所を例に挙げると、年間給与額が1億2000万円に対して、改正前は社会保険料を全く負担する必要がなかったのに、改正後はなんと年間の社会保険料の負担額が1,800万円になるのです。特に人件費率の高い業種ではこの負担は経営に大きく影響します。

今少子高齢化で労働人口が減少している中、政府は主婦の労働力を活用しようということで、いわゆる103万円の壁である、配偶者控除の廃止に動き始めています。配偶者控除を廃止するとなぜ主婦の労働力が活用できるかというと、現状主婦パートの人は、年収が103万円を超えると、夫の扶養家族から外れるので年収を103万円までに抑えようとし、結果として労働時間をセーブしている人が多いのです。配偶者控除を廃止すれば、103万円の壁など気にせず、主婦が目いっぱい働いてくれるだろうというのが政府の考え方です。(なお、現在は配偶者特別控除がありますので、年収が103万円から141万円までは、段階的に控除額が減少しますので、103万円の壁という考え方自体どうかと思います)

では、実際、現在パートとして働いている主婦は、社会保険の改正と配偶者控除の廃止のどちらに影響を受けるでしょうか。夫の年収にもよりますが、例えば夫の年収が600万円の場合、配偶者控除廃止による夫の税負担の増加額は約11万円です。

一方、パートとして働く主婦の社会保険料の負担額は年収が106万円の人で約16万円です。年収を106万円以下に抑えればその負担額は0円となります。

年収が120万円前後の人であれば、おそらく社会保険の加入対象者になることを避けるために、年収を106万円以下に抑えようとするのではないでしょうか。

今回の社会保険の改正と、配偶者控除の廃止はまるで、ブレーキを掛けておいてアクセルを踏み込もうとするようなものではないでしょうか。つまり、社会保険の106万円の壁がある限り、配偶者控除を廃止したとしても、主婦のパート労働に対する行動はほとんど変わらないと思われます。

さらに、事業主側も社会保険料の負担を軽減するために、より短時間で働いてくれる労働者を求めていくでしょう。

つまり、配偶者控除の廃止は、主婦の労働力を活用するどころか、社会保険の改正により急激なブレーキを掛けられたまま、単なる増税に終わってしまうのではないかということです。

主婦の労働力を活用したいのであれば、待機児童の問題など、改善すべき問題は他にもっとあるのではないでしょうか。

 

 

史上最年少プロ棋士誕生!! 藤井聡太とは

2016-09-05

以前から将棋界では若き逸材が注目されていました。2年連続詰将棋日本一になるなど、その終盤力の強さ、読みの速さと深さで早くもその名を轟かせていた中学2年生。その彼がこのたび、若干14歳2か月で四段昇段を決めたのです。

その名は藤井聡太奨励会三段。

14歳2か月での四段昇段はあの神武以来の天才と謳われた加藤一二三九段の14歳7か月の記録を62年ぶりに抜く史上最年少記録となります。また、中学生棋士は今まで、加藤一二三九段をはじめ谷川浩司九段、羽生善治三冠、渡辺明竜王のたった4人しかいません。このそうそうたるビッグネームに名を連ねることとなったのです。

羽生三冠は今回の昇段に際して、「三段リーグからの四段昇段は、史上最年少記録の価値をより高める快挙だと思います。これ から棋士として注目を集めることになると思いますが、それを乗り越えて歴史に名を残すような棋士になることを期待しています。」というコメントを寄せています(将棋連盟ホームページより)。

これから、羽生や渡辺、佐藤天彦名人などとの対戦が見られると思うと、本当にわくわくしますね。

彼が尊敬する棋士は谷川浩司とのこと。光速の寄せで一時代を築いた谷川浩司に勝るとも劣らぬ終盤力を発揮して、名人や竜王をバッタバッタとなぎ倒して欲しいですね。

そして、PONANZAをはじめとするコンピュータソフトともできれば10代のうちに対戦して欲しいです。

これからの将棋界をいい意味で掻き回して行ってください。

 

吉田沙保里と伊調馨 その勝敗を分けたもの ~リオ五輪を振り返って~

2016-08-22

この2週間、リオ五輪のテレビ観戦で、寝不足の方が多かったのではないでしょうか。

ウサイン・ボルトの三冠三連覇やマイケル・フェルプスの23個目の金メダルなど外国人選手の偉業もさることながら、このオリンピックは日本人選手の活躍が目立ちました。

内村航平がオレグ・ベルニャエフとの死闘の末、鉄棒での神がかりな演技で決めた五輪連覇、バドミントン女子ダブルス決勝でのタカマツペアの16対19からの5連続得点による逆転優勝、そして特筆すべきは伊調馨の決勝戦残り5秒からの奇跡の逆転金メダルです。これにより伊調馨はアテネから北京、ロンドン、リオの4連覇を達成したのです。この4連覇はレスリングのみならず五輪全競技を通じて女子個人種目では世界初の快挙です。連日、各種目、各選手の日替わりの活躍にテレビの前に釘付けになりました。

その中で最も印象に残ったシーンはやはり、吉田沙保里の敗戦、そして号泣でした。

史上初の4連覇、国民栄誉賞の受賞者であること、指導者である父の死、日本選手団の主将、そして伊調馨が一足先に4連覇を達成したこと。これでもか!というプレッシャーのてんこ盛りに、さすがの吉田も相当硬くなっていたように見えました。

特に初戦のナタリア・シニシン戦の直前の表情を見て、正直、吉田大丈夫かなと思いました。彼女の顔からは血の気が引き顔面蒼白だったのです。

それでも何とか初戦に勝利し、その後、準々決勝、準決勝ともに危なげない試合運びで勝ち上がりました。ただ、その上体は少し腰高で、これまでのような躍動感のある動きとは違っていました。

そして迎えた決勝戦。決勝の相手は、これまでも吉田と死闘を繰り広げてきたライバルのソフィア・マットソンが勝ち上がってくるかと思いきや、決勝に現れたのは新進気鋭のヘレン・マルーリスだったのです。吉田とはこれまで2戦して2回とも吉田がフォール勝ちしている相手です。ただ、予想外の相手が勝ち上がってきたことで、吉田の勝利の方程式が微妙に狂ったのかもしれません。

決勝戦はとにかく吉田の攻撃が完全に封じられました。マルーリスに指をつかまれ、ほとんど何もできないまま第1ピリオドが終わり、第二ピリオドでは相手の攻めをかわす為に無理な首投げを打ってしまい、逆に相手にポイントを与えてしまいました。その後も焦れば焦るほど相手の術中にはまり気持ちが空回りし、更に2点を与え、残り時間1分のところで1対4の3ポイント差になってしまったのです。試合後のインタビューで吉田が「取り返しのつかないことになってしまった」と答えていましたが、まさにこの失点のことを言っていたのだと思います。

残り1分で3点差をひっくり返すのはかなり難しいと言われています。前日伊調馨が残り5秒で大逆転勝利をしましたがそれは1点差だったからです。3点差を逆転するには2ポイントを重ねるか、4ポイントの大技が必要ですが、残り1分で、しかも守りに入った相手から4ポイントを奪取するのは至難の業です。

ここで開き直って以前の得意技、高速タックルに挑んでいれば勝利の可能性があったかもしれません。しかし吉田陣営はオリンピック前から吉田対策に対抗するために、接近戦から回り込んでタックルする戦術に変更していました。残り1分と追い詰められた状況で、吉田に戦術変更をする余裕はありませんでした。時間は虚しく過ぎそのまま試合終了となりました。

同じ4連覇に挑んだ吉田と伊調の勝敗を分けた原因はなんだったのでしょうか。試合後のそれぞれのインタビューにそのヒントがありました。実はオリンピックの2年前に吉田は父を、伊調は母を亡くしています。インタビューでそのことに触れられ二人は次のように答えていました。

伊調は決勝戦後インタビュアーから、スタンドからは遺影のお母さんが応援していましたよと話しかけられ「最後はやっぱりお母さんが助けてくれたと思います」と答えていました。

吉田は試合後のインタビューで父に対する思いを聞かれ「父が助けてくれるかなってどこかで思ったのが間違いでした」と答えています。

二人とも亡き親とともに戦っていたと思いますが、その意識に微妙な違いがあったことは確かです。

おそらく伊調は試合中、亡き母のために頑張ろうとは思っても決してお母さんが助けてくれるとは考えていなかったと思います。最後まで自分の力でいかに敵を倒すかということしか考えていなかったのではないでしょうか。そして勝利の後、自分が成し遂げた奇跡を振り返ったときに初めて、お母さんへの思いがこみ上げてきたのだと思います。

一方吉田には、ほんのわずかな心の隙があったと思います。前回のオリンピックまでは常にそばで応援してくれた父が、今は心の中にしかいない。亡き父と一緒に戦おうとする気持ちが、大きなプレッシャーで精神的に追い詰められることによって、いつしか父に助けてもらいたいという気持ちに変わり、それが心に隙を作ってしまったのでしょう。

二人の試合やインタビューから察すると、自分の力を最後まで信じ、攻める気持ちを失わなかった伊調が勝ち、気持ちの部分で亡き父に頼り、心の隙ができてしまった吉田が負けたと言うことだと思います。それだけ吉田にとっては父の存在が大きかったのかもしれません。

試合後、吉田は子供の様に泣きじゃくりました。表彰式になってもその涙は止まりません。負けて泣き続ける吉田沙保里の姿に霊長類最強女子の威光は微塵もありませんでした。そんな姿を見て、がっかりした人がいるかもしれません。また、負た時こそ女王らしく振舞うべきだと批判する人もいるでしょう。

でも私は、号泣しながら「申し訳ない」「ごめんなさい」と謝罪する吉田沙保里の真正直な姿を見て、逆に、好感を持ちましたし、さらに彼女が築いてきた今までの記録の凄さの意味を再認識しました。吉田の号泣によって、オリンピック3連覇、世界選手権13連覇そして個人戦206連勝の大記録が、ロボットやサイボーグではなく、悔しければ人目も憚らず泣きじゃくる生身の人間が為しえたことに気付かされたのです。吉田沙保里とは本来私たちが考えているよりも、弱くて、優しくて、甘えたな人なのかもしれません。そんな彼女が築き上げてきた偉業を顧みるに、そこに投じられた努力の分量は計り知れないものだと思います。

吉田が敗れた試合の直後、カメラが観客席の一人の女性をとらえました。カメラが映し出したのは、吉田の妹分の登坂絵莉の泣きじゃくった姿でした。前日大逆転で金メダルを射止めた彼女は脇目も振らず吉田のために泣いていたのです。それは彼女が前日の表彰台で見せた大粒の涙を遥かに超える大号泣でした。

登坂をはじめ吉田の背中を見て育ってきた土性沙羅も川合梨紗子も金メダルに輝きました。

吉田を破ったヘレン・マルーリスも吉田に大きく影響された一人です。彼女は12歳の時にアテネオリンピックの吉田の金メダルに感動し、吉田に憧れてここまで努力してきたのです。

吉田沙保里は4連覇を逃しはしましたが、彼女の存在そのものが後進の育成やレスリングの発展に大きく貢献してきたことだけは、紛れの無い事実です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ロックレスパーキングを利用しました

2016-04-27

最近ある種のカルチャーショックを受けた出来事がありました。

何気なくいつものコインパーキングに車を停めようとしたときにロック板を超える感触がなかったので、車を降りて車の下を見たところ、ロック板などの装置が全くなかったのです。あれ、ここの駐車場、月極めにでも変わったのかなと思い周りを見渡したところ、精算機も駐車料金の看板もありました。工事の途中なのかな、であれば今日はただで停められてラッキーやんと思いながら、看板をよく見るとフラットパーキングと書かれていました。初めて見る言葉だったのですが、早速ネットで調べてみると、なんとロック板が無く、監視カメラだけで不正を防止するタイプのコインパーキングが最近普及し始めているそうなのです。

こんな性善説に立ったビジネスモデルがあるのか!と軽いショックを受けました。

しかしこのシステムが普及し始めているということは意外と不正をする人が少ないということなのです。

逆に、ロック板タイプの方がメンテナンスやトラブル処理に経費が掛かるので、多少の不正があったとしても、フラットパーキング(一般にはロックレスパーキングというらしいです)の方が効率がいいのかもしれません。

で、このフラットパーキングを初めて出庫するときの感覚ですが、このまま精算せず出庫しても意外と大丈夫かなという感覚と、不正者として特定され後で料金を請求されるのはかっこ悪いなという感覚の板挟みです。結局わたしはちゃんと精算して出庫しました。やはり、精算せずに出庫するというのは、かなり心理的ハードルが高いなと感じました。

よく田舎に行くと無人野菜販売所を見かけますが、そのような類でしょうか。それにしても、日本人の不正に対する感性をうまく見極めた、よく考えられたシステムだなあと感心した次第です。

 

 

マイナス金利政策の効果は?

2016-01-30

昨日、日銀がマイナス金利政策の導入に踏み切りました。

昨年からの原油価格の暴落、年初来の株の急落や円高など、アベノミクスが掲げるデフレの脱却とは真逆の経済状況が続いており、その状況を少しでも改善しようとする秘策です。

マイナス金利政策とは簡単に言うと、民間銀行が日銀に預けている法定準備預金の金利をマイナスにすることです。いわゆる、今までは民間銀行は日銀に預金することで0.1%の利息をもらっていたけれど、これからは逆に金利を支払わないといけなくなるというものです。お金を預ければ預けるほど金利を取られるのでどの銀行も日銀に預金を預けなくなるわけです。するとその資金が民間に回り、投資が進み、景気がよくなり、インフレ目標が達成されるというものです。

しかし、そもそも民間銀行が日銀から0.1%も利息をもらっていること自体おかしな話ですよね。われわれが銀行に普通預金をしても金利は0.02%ですよ。日銀金利の5分の1です。ということは、民間銀行は何の努力もせずに国民から預金を集め日銀にただ預ければ0.08%ものさやが稼げるということです。

そりゃぁ、日銀がいくら買いオペをしても資金が市中に回らないはずですよね。

大企業はともかく、中小零細企業になかなかお金が廻ってこないのが現状です。金融政策でだぶついている資金をいかに中小企業にまで行き渡らせるかの具体策が必要です。

今回のマイナス金利政策はある意味小手先のスパイス的な対策であり、これを何年も続けていくわけにはいきません。

やはり、将来を見据えたもっと長期的な政策を打ち出していくことが重要です。特に、以前から常に言われてきている少子高齢化問題と教育にいかにお金をかけアイデアを出していくか、政府は一日も早くそこに本気で取り組むべきであり、教育、子育て、介護などの業界で働く人や企業を支援していくことが必要ではないでしょうか。

 

 

 

マイナンバー制度はフロー課税からストック課税への転換の布石

2016-01-06

新年あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いします。

比較的長い年末年始のお休みをいただきましたが、今年もまた年明け早々から年末調整や法定調書の作成など、仕事が山積みです。

三賀日の読売新聞にビル・ゲイツの記事がありました。最近のビル・ゲイツの活動は「ビル&メリンダ・ゲイツ財団」での慈善活動が主なものです。世界中の病気や貧困に苦しむ人々への支援を莫大な資金によって行っています。

昨年ノーベル賞を受賞した大村智博士が発見したイベルメクチンという抗寄生虫薬の無償提供にも積極的に援助しています。ビル・ゲイツほどの資産家の気持ちは図りかねますが、人は最終的に人類のために何かしたいという境地に達するのでしょうか。

ところで今年はマイナンバー元年。年末調整の扶養控除申告書や償却資産申告書などには既にマイナンバー記入欄が設けられています。

こういう書類を見ると、いよいよ国による個人資産の捕捉が始まったのだなと感じます。

今後は社会保険や、銀行関係の書類にもマイナンバー記入欄がどんどん拡がっていくわけです。

穿った見方をすれば、マイナンバー制度の導入はフロー課税中心であった日本の税制をストック課税に変えていくための布石と考えられます。法人税や所得税などのフロー課税に代わり、預金税や資産税などのストック課税が幅を利かす時代になるのかもしれません。

最近、金地金や耐火金庫が売れているのはまさに、資産家によるマイナンバー制度へのせめてもの抵抗でしょう。

さて、「今年こそは」というキーワードで今年の目標をあれこれと。

まず、「今年こそは」8キロは痩せたいですね。最近運動不足のせいか、はたまた食事時間が不規則なせいか、体重が危険水域にまで達しようとしています。危険水域が何キロかはご想像にお任せしますが、私も50歳になりましたので、健康のためウェイトコントロールは必要だと感じています。

「今年こそは」人間ドッグで検査を受けたい。というか検査しなければならないと思っています。体重のこともありますが、これは今年の必須課題です。

「今年こそは」ヤンキースの田中マー君の試合を見たい。ずいぶん以前ですが、マリナーズのイチローの試合をアナハイム球場で観戦しましたが、球場の向こう側にひろがる美しい夕焼けを今でも思い出します。ゆったりとした雰囲気の中でのメジャーリーグ観戦は最高です。

「今年こそは」将棋の有段者になりたい。今まで将棋は見る専門でしたが、最近bonanzaという将棋ソフトに嵌っており、指す方でも強くなりたいと思ってます。しかし、コンピュータソフトはなんて強いのでしょう!全く勝てません。今年は将棋電王戦で山崎叡王とコンピュータソフトPonanza(bonanzaではありません)が対戦しますが、こちらもとても楽しみです。

「今年こそは」親を旅行に連れて行ってあげたい。毎年家族旅行はするのですが、親との二人だけの旅行はしたことがないですね。ちょっと気恥ずかしい感じはしますが、私の親もだんだんと足腰が弱ってきていますので、動けるうちに実現したいです。

「今年こそは」・・・・

皆さんの「今年こそは」は何ですか?

 

 

 

 

 

 

 

 

相続税申告の落とし穴

2015-11-17

相続税法の改正により平成27年1月より基礎控除額が今までの6割に減額されました。この改正で、相続税を申告しなければならない納税者の対象が拡がりましたので、今まで相続税の申告は関係ないと思っていた方も他人事ではなくなりました。

例えば相続人が妻、長男、次男の3人ですと、今までの基礎控除額は8,000万円(5,000万円+1,000万円×3人)でしたが、改正後の基礎控除額は4,800万円(3,000万円+600万円×3人)です。

4,800万円ですと、自宅不動産、預貯金、生命保険などを足すと、軽く超えてしまう方が多いのではないでしょうか。

自宅の土地が2,500万円、建物が1,500万円、預貯金が1,000万円、生命保険が3,000万円とすれば合計8,000万円ですので、基礎控除額4,800万円を3,200万円も上回ります。これだと相続税が4~500万円ぐらいかかってくるのではと懸念される方がおられるかもしれません。

ところが実際は、生命保険金の非課税額が1,500万円(500万円×相続人3人)、自宅の評価減が2,000万円(小規模宅地の評価減がまるまるできるとして)できますので、相続財産額は4,500万円(8,000万円-1,500万円-2,000万円)となり、基礎控除額4,800万円の範囲内ですので、相続税額は0円となります。

また、相続財産額が基礎控除額を上回っていたとしても、妻がすべて相続すれば、配偶者の税額軽減の規定(1億6千万円迄)がありますので、この場合も相続税額は0円となります。

では、この様に事前に計算して、基礎控除の範囲内だから相続税は関係ないと、そのままほったらかしにしておいてもよいでしょうか?

実は、自宅土地の評価を下げる「小規模宅地の評価減」の規定は、申告期限内に遺産分割することが要件となっています。申告期限は死亡日から10か月以内です。それ以降に気付いて遺産分割しても小規模宅地の評価減は適用できません。

もし、上の例で、相続税がかからないからと言って遺産分割も申告もせず、申告期限を過ぎてからすべての財産を長男と次男に相続してしまえば、配偶者の税額軽減も適用できませんので、170万円の相続税と無申告加算税が課税されることになります。

相続税法の税額軽減規定には、遺産分割が要件となっているものが多いので、注意が必要です。

また、住宅ローンが残っているので、相続税は心配ないと思ってらっしゃる方も、団信保険に加入している場合借入金がなくなりますので、注意してください。

また逆に、財産より借金が多い場合には思ってもみなかった借金を背負うことになりかねません。借金を相続しないようにするには相続放棄という方法がありますが、相続放棄は死亡日から3カ月以内に手続きをする必要があります。葬儀や四十九日法要などでバタバタしていると気付けば3カ月が過ぎていたということは良くあります。

身内が亡くなった場合、いろんなケースが想定されますので、財産の多寡にかかわらず、できるだけ早く税理士に相談されるのが良いと思います。

 

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